ポリピリンTPPの1〜8GHzマイクロ波環境下で,試料室の誘電率とTPPの分子としての分極率を決定する. TPPが充填された試料室の比誘電率はキャビティの共鳴周波数の変化から決定でき, TPPの分極率はこの比誘電率と試料の空間密度を元にクラジウス-モソtティの式を用いて計算できる.
実験テキストはmoodleから取できるが,このリンク
[実験テキスト]
からも取得可能.
実験に使う装置は,下図に示すVNA(Vector Network Analyser)と円筒キャビティであり.
キャビティの中心軸に沿って,試料室(Chamber)を設置し空とTPPを充填した場合の共鳴曲線を測定する.
VNAとCavityをSMA同軸ケーブルで接続 |
空の試料室 |
TPPを充填した試料室 |
■ノギス(精度0.05mm)で円筒形の資料室のサイズを測定.
※ 長さ方向に位置を変え数箇所で計測.平均値とともにその確率誤差も求めよ.
確率誤差の詳細は物理学実験(2年生)の資料を参照. [このリンクの資料]
も参考になる
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(a)直径の計測 |
(b) 目盛り部の拡大 |
測定番号 | 長さL(mm) |
1 | 45.30 |
2 | 45.25 |
3 | 45.25 |
4 | 45.20 |
■蓋は真鍮製であり,加工精度(0.003mm)で次のサイズに加工されている.
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空の試料室(両端に真鍮の蓋) |
■空および充填された試料室の質量を電子ばかり(0.0001g=0.1mg)で測定:
※ 3回の計測値の平均とともにその確率誤差も求めよ.
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充填した試料室の秤量 |
■TPP (C44H30N4)の分子量x(g)と試料室に充填された個数密度N (m-3).この時,次の項目を満たすこと.
・分子量は0.01(g)まで求めよ.
・数密度Nの誤差を誤差伝播の法則を用いて見積れ.
仮想VNAは,ネットからgstatic社のJAVAスクリプトをダウンロードして実施するので,ネットにアクセスできる情愛でEdgeなどのブラウザを開くこと.仮想VNAの操作方法は,moodle(あるいはこのページの最初)でダウンロードできる実験テキストの最後に説明されている.
仮想VNAを別WINDOWで開く |
■共鳴曲線のグラフ化と共鳴周波数の変化量ΔfRの決定
仮想VNAとは別に測定値をEXCELで処理して共鳴曲線を独自に作成せよ.
共鳴曲線は,試料室が空および充填した場合にそれそれ次の2種類(合計4つ)を描くこと.
・縦軸反射係数の絶対値logA[dB],横軸周波数f[GHz]のグラフ依存
・縦軸反射係数の位相logA[deg],横軸周波数f[GHz]のグラフ依存
作図に必要な測定データは,次のリンクをクリックするとcsvファイルとして取得できる.
VNA data(empty chamber) 試料室が空の場合
VNA data(loaded chamber) 試料室にTPPを充填した場合
なお,上記のリンクをクリックしてもデータのダウンロードが始まらない場合は,次のフォルダ名付きののcsvファイルを直接取得するとよい:
.\virtualVNA\data\VNA_emptyChmbr.csv (空の試料室の共鳴csvデータ)
.\virtualVNA\data\VNA_loadedChmbr.csv (充填された試料室の共鳴csvデータ)
■ 比誘電率εrの決定
試料室が空の場合からTPPが充填されると,共鳴周波数が小さいほうに移動する.この共鳴周波数の変化量ΔfRから,試料室を占めるTPP結締の比誘電率を求めることができる.この関係を下のグラフにまとめた.これから,測定したΔfRからεrを求める.
次のクラジウスーモソティの式を用いて,TPP分子の分極率αを求めよ.
・N 分子が空間を占める数密度
・ε0 真空の誘電率
・εr TPPを充填した試料室の比誘電率
レポートは(ペン書きで清書した)手書き あるいは ワープロで作成したファイルをpdfに変換して提出すること. レポートの内容(様式と構成)は,このリンク [レポート様式と課題] で得られるファイルの記載に従うこと.ここに記載したように,理論に相当する節は課題への回答を記載すること.
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以上の繰り返しも含むが,次の事項に注意して期日に間に合うようにレポートを作成すること: