「宝石のキラメキと、間違い探し」

このサロンでは、研究や授業、日常生活などで気がついたちょっとした小ネタを紹介しまして、大学の先生ってこんなことを考えているんだなと、少しでも親しみを感じてもらえればと思います。

宝石や貴金属は美しく輝いていますよね?もちろんそれらは光を強く反射するから輝いて見えるのですが、実は視覚的要素も強く効いています。

ダイヤモンドやサファイア、キュービックジルコニアといった透明な屈折率の高い宝石は、ブリリアンカットすることにより内部に入った光を様々な方向へ全反射し、輝いて見えます。更に、ただ光を反射するだけでなく、プリズムの効果によって白色光が虹色に分けられ、様々な色に輝くことになります。この色を分けるという効果は貴金属にはない宝石特有のものですね。

 さて、宝石が輝いて見えるためには、カットのとある面からの光と、その隣の面からの光の強さにコントラストが必要で、これにより宝石が少し回転しただけで、光が届いたり届かなかったりし、キラキラと輝いて見えるのです。従って、強いきらめきを見たいならば、照明は蛍光灯のような面光源ではなく、太陽光やハロゲンランプ、LEDのような点光源を用いるのがよいです。

宝石からの光は少し回転しただけで大きく強度が変わりますので、見る人の右目と左目でも強度が違っています。試みに、片目ずつつぶって宝石を見てください。光り方がかなり異なって見えます。この右目と左目で見た光り方の違いは脳の中で合成しようとしてもうまく合わせることができず、結果、チラついていると認識されることになります。実は、これも宝石のキラメキに一役買っているのです。ですので、片目を閉じて宝石を見てみますと両目で見たときよりもキラメキが見劣りしてしまいます。

 立体視はご存知でしょうか?最近ですとスマートホンに2つの映像を表示し、レンズを通して両目で見ると立体的に見えるVR(ヴァーチャルリアリティ)としてよく知られています。平行法(右目で右の絵を、左目で左の絵を見る)や、交差法(右目で左の絵を、左目で右の絵を見る)によって立体像を実現します。写真(1,2)はキュービックジルコニアを、角度を変えて撮影したものです。できる方は、立体視してみてください。写真が一枚の時よりキラめいて見えると思います(残念ながら私のカメラでは色が写らなかったです)。クロスニコルの偏光板の間に挟んだ薄いプラスチック板(写真3,4)も片目ではただ単に色がついて見えるだけですが、両目で見た場合にはギラついて見えます。

 実は、この立体視の手法を「間違い探し」に適応しますと、右の絵と左の絵の違いはチラついて見えるのですぐに見つけることができます(絵1)。宝石を両目で見たときのキラメキと同じ原理ですね。

(文責:東海林)

写真1.キュービックジルコニア(交差法)
写真2.キュービックジルコニア(平行法)
写真3.プラスチックの板(交差法)
写真4.プラスチックの板(平行法)
絵1.四カ所違いがあります。

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